書籍・雑誌

日々是新聞

 同じ記事でも違う写真

地方紙が共同通信から記事をもらっていることはよく知られている。そのため別の新聞に全く同じ記事が載ることになる。
下はH22年7月28日の宮崎日々新聞の記事
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 「ほほ笑み消え岩肌露出」という題名で、パキスタンスワト地区に、ある仏陀像をイスラム武装勢力が破壊しているという記事である。

下は同じ日付の南日本新聞の記事

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記事内容は全く同じだか写真が全く違う。宮崎日々新聞が写真一枚、しかし、画質は綺麗です。南日本新聞は写真2枚だが、やや不鮮明です。ただし、使われているキャプションは全く同じ「イスラム武装勢力に顔を・・・・」です。引用されている地図も同じ。

共同通信の配信は記事だけなんでしょうね。

 

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宏福な日々

宏福な日々

 

 

書籍 「いまも、君を想う」 川本 三郎  新潮社

 

35年連れ添い、一緒にいるのが自然、当たり前の状態になっていた奥さんが、3年の闘病生活の末に亡くなる。57歳の若さだった。7歳下の奥さんのまさかの死。寂しく同時に「家内に何もしてやれなかったという後悔、無力感に襲われた」作者の亡き妻への追想記です。ここで綴られている、なんということのない日常のエピソードがより一層、妻を失った喪失感を際だたせます。

 

映画「二四の瞳」見て、ほとんど泣きっぱなしの作者の隣で平然としている。「可愛くないやつだな」といっても「あなたのほうが泣きすぎなのよ」と笑い、「泣く子はいねが」と秋田県のなまはげの真似をする。

 

新幹線のある駅で食べた立ち食いそばがおそろしくまずかった。そば屋に行くたびにその話をしたので、ついに「そのまずいそば食べたい!」そしてそのそばを食べて「聞きしにまさるまずさね」と納得する。

 

高血圧で生活を改善するように言われた作者。「いままでは、おいしいものを作ることだけを考えていたけど、それじゃだめなのね」と塩分控えめの食事に切り替えます。「これからは、多少、味が落ちるかもしれないけど、身体のためと思って我慢して」

 

2006年の夏の旅行のあいだ、妻は食事をしては戻すようになります。ものが喉のところでつかえると言う。10月に病院に行き、食道癌と分かります。

 

癌を告知されても家内は泣かなかった。泣き言を言わずに淡々と病気に堪えていた。最後の頃、自分はもう何も食べられなくなっているのに、テレビで大食いの女の子が大量の料理をぱくつくのを見て面白そうに笑っていた。そんな彼女が春のある日曜日、「新緑を見たい」と言って、病院前の小さな緑地に行きます。木々の若い緑と、遠くを走る中央線の電車を黙って見ていた彼女は突然、静かに泣きます。

 

大切な人ほど、連れ添った時間が長いほど、亡くなったときの喪失感は大きい。いつかは来る伴侶を亡くした後の一人の老後。この本は特に若い人達に読んでもらいたい。平穏な日常というのがいかに大切かを実感します。

 

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読書日記

Simg_1573  高校生でもわかる日本経済のすごさ!   三橋 貴明著  彩図社

公的債務すなわち国の借金は返済する必要がない。という書き出しから始まるこの本。まさに目から鱗の内容です。国の借金は誰からしているのか?国民です。いわば夫が妻から金をかりているのと同じ。妻に金を返すために倒産しますか?その他にも日本の輸出の主力はテレビでも自動車でもない。国の景気が良くなるとはどういうことか?乗数効果とは?など経済の話が分かりやすく書かれている。
 要は、私たちがマスコミから聞かされる「印象」や「イメージ」に踊らされるのではなく、情報を正しく認識して、できるだけ「数字」に基づいた分析を繰り返すことが大切なのだ。「間違った認識からは、間違った対策しか産まれません」「国の借金が大変だ!」という「認識」からは国民生活の実状を一切無視した、社会保障費の抑制や定率減税の廃止といった、将来への希望をいささかも持たせてくれない対策しか出ない」

 日本は世界で一番の金融資産をもったお金落ちの国であるとう事を認識して、自信を取り戻すことであろう。

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読書日記

  完本 紳士と淑女   徳岡 孝夫著 文春新書

 「諸君」というオピニオン雑誌の巻頭コラム。1980年から2009年までの各界の人々を取り上げている。その批評は確かな歴史感と、鋭いジャーナリズムからなっており、昨今テレビに出ているようなコメンテーターとは一線を画す。『イギリス王ヘンリー6世は、正当にフランス王位の継承を宣言した。これに異を唱えて決起したのがジャンヌ・ダルクであり、敵軍に捕まった彼女はイギリス軍単独の審問によって魔女と断罪されて火刑に処されている。つまりイギリス側からすると戦争犯罪人であった。しかし、そのジャンヌ・ダルクが1920年に聖人の位に列したときイギリスはフランスを恫喝しただろうか?あるいはナポレオン・ボナパルトは多分にヒトラー的側面をそなえた男だった。だが、フランス政府がその遺骸をパリに祭ったとき、ナポレオンに侵略されたオーストリアは、ロシアは、イタリアは、エジプトは、抗議したか?20世紀先進列強による中国大陸蚕食の歴史は、東条英機をもって始まるのではない。世界全体の動きのなかの長く複雑な物語である』

日本人は自国のために亡くなったA級戦犯に対してもっと堂々とするべきである。他国の干渉に屈してはいけない。

 ロンドンのタブロイド紙の記者の話も興味深かった。一片の情報が真実かどうかは確認しない。その記事をどこまでふくらませばどれほどの慰謝料を請求されるかと、その記事が新聞の売上をどれほど伸ばすかを計算して記事を書くらしい。名誉毀損で訴えられても判決がでるまで、1年か2年はかかる。それだけ宣伝効果が高まる。報道機関が正確な記事を伝えるのを身上とする時代は去った。カネ儲けが至上の命題になり、新聞記者は投機家になった・・・・・・。そういうふうに新聞を変えてしまった最大の要因な何かと聞くと彼は言下に「テレビジョン」と答えたらしい。

 小沢一郎の話。
『映画のセリフ「変わらずに生き残るためには、変わらなければならない」を引用したというので、政治記者たちは「小沢は変わるか」と書き始めた。アホらしい。63にもなった男が政治以外の商売をしらぬ男が変われるわけが無い」と断言している。「いずれをみても 山家そだち、とうとう小沢しか出すタマがなくなったわなあというのが、民主党のホンネであろう』
この文章は2006年6月に書かれている。恐るべき慧眼である。Simg_1572

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読書日記

 フェルマーの最終定理  サイモン・シン著  新潮文庫

高校時代、数学が苦手だったくせに、こういった本は好だ。
フェルマーの定理とは3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない、という定理のことである。
数学の証明というのがいかに厳密か。科学理論の証明は、仮定を立てて検証して手に入る限りの証拠に基づいて「この理論が正しい可能性はきわめて高い」といえるだけであるのに対し、数学の証明は一度証明された定理は永遠に真である。

難しい数学の知識がなくても読めるがやはり難解な箇所があるけどそこはドンドン読み飛ばしても充分大丈夫。数字のもつ不思議さ(素数のところは特に面白い)、歴史上の数学の発見にまつわる話や、数学者のエピソードも面白い。特に伝説の天才ガロアの話は面白かった。そして圧巻はフェルマーの最終定理を解いたと思われた、アンドリュー・ワイズの証明に欠陥が見つかり、7年間の研究結果がふいになり敗北を認める覚悟を固めながら最後の最後に閃きがあり証明を成功させたくだりであろう。人間は諦めなければ必ず成功するという月並みな事を本当に実感させられる。

この偉大な証明に、二人の日本人数学者が貢献していた事も初めて知った。

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読書日記

チャーチル  河合秀和  中公新書

 沖縄の普天間基地問題で日本の政府が揺れいている。そも何故沖縄に米軍基地があるのか?第二次戦争で日本が負けたから。何故日本は戦争に負けたのか?国力?では日本と同じ島国で資源も無いイギリスは何故戦争に勝ったのか?日英の違いは国民性とその国民性が反映される政治家の違いになるのかな?と考えてこの本を読みました。 
 「紳士と淑女」という本で作者の徳岡孝夫氏が指摘されているように、実際に砲弾の下をくぐり抜けてきた士官兵あがりの首相チャーチルに比べ、日本の軍人出身の首相は実践の経験がなく机上の論理で戦争を遂行していいる。
 有数な貴族の家柄に生まれたチャーチルは若いときより歴史に親しみ、戦地に赴きしかる後政治家に転身している。彼は若いときは自由党に所属し、人民の権利や社会福祉の充実に邁進するが、後自身の考える国益のために共和党に移りかなりのタカ派としてならしている。「何か悪いことがあれば、それがもっと悪いことから救ってくれることになるということを忘れてはいけない」
 英国の勝利のためにアメリカを戦争に巻き込んだチャーチルであったが、第二次世界大戦が終結すると疲弊したイギリスは没落していく。そして変わって世界の覇権国家として台頭してきたのは、アメリカであった。チャーチルはイギリス帝国没落の幕引きの役割も果たした。
 第1次世界大戦が終わり厭世気分だったヨーロッパ諸国が、ヒトラーの登場並びに徐々に他国を侵略していくのを平和主義により見逃してついに、ナチスドイツの登場を招いてしまった事実は今の日本の政治状況に似ている。
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読書日記

 単純な脳、複雑な私    池谷祐二     朝日出版

 「進化しすぎた脳」でこの人の脳の本にはまっています。今回は作者が自分の出身高校の生徒向けに話した内容をまとめた物。そのため割と優しく書かれていてます。が、この本を読むと、従来の私たちの心の動きに関しての考え方がいかに間違っていたかが分かります。
「吊り橋の上で告白すると成功率が高い」「長い時間一緒にいるとその人の事を好きになる」など私達の感情はいかに脳のこじつけや錯覚に左右されていることか!!
 例えば、私たちの脳はひどく曖昧で柔らかい方法で記憶を保管しているらしい。しかも記憶が呼び出されるときに、その内容が書き変わってしまうこともある。記憶は思い出すときに再構築され記憶の内容は組み換わって新しいものになる。
 また、作話の話も面白い。実は私たちの行動は殆どが無意識に支配されている。脳は体を介して自分のおかれた状況を理解する。しかしその行動の理由が分からないとき脳は作話して自分の行動や判断の意味を探している。この事から分かることは私たちの精神活動はかなり大きな部分で「体」が重要なウエイトをしめている。私はこの本を読んでから自分の直感というものをかなり大切にするようになった。
 そのほか手を動かすときには脳が動かそうと意識してから手を動かすのではなく、本人が「動かそう」と意図したときには脳はすでに動かす「準備」を始めていたという驚くべき事実も語られており興味が尽きない。
自由について私たちにある「自由」は自由意志ではなく自由否定である。私たちにできるのは 自動的に脳からゆらぎを通じて発生してきたアイデアを採用するか不採用にするかだけである。そこにしか私たちの選択の余地はない。このアイデアはだめだ、あのアイデアもだめだと否定する。そして最後にこれならいいね.・・・・と自由否定をしない。私たちの脳はそういうスタイルだけが許されている。アイデアそのものは脳のゆらぎから自動的に生まれる。私たちはゆらぎに任せることしかできない。

数々の知的好奇心を刺激する話。心とは、生命とは、自由とは。そして「創発」「リカージョン」「再帰性」「ゆらぎ」「ラッセルのパラドックス」等の意味が分かりやすく解説されている。
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読書日記

裁判の秘密  山口宏 副島隆彦    宝島文庫

最近、仕事で頭に来ることがあり「裁判に持ち込もうかな」と思った時がある。読書会の課題本がこれでタイムリーだった。結論として裁判は決して民事の争い事の解決方法にはならないと言うことである。
裁判には時間がかかる。強制執行の実用性がない。などかなりの抜け穴だらけの制度である。裁判所は権力機関であるというが、行政権力のように警察官を使って実力行使すなどということは出来ない。裁判所を三権の一翼たらしめているのは一つのイメージである。物理的な力ではなく、「権威」であるという言葉が裁判制度の本質をついていると思う。
作者がつねづね思っているという「5パーセント・ルール」には私自身も同じ事を常々考えていた。すなわち世の中に立派な人間は5パーセントしかいない。あとの90パーセントは一生、裁判とは無縁の人々である。そして、残りの5パーセントがだらしのない人々である。同感である。

「法律が分からないと裁判は闘えないだろう」と思うのは間違い。裁判官が法律を知っているのだから、こちらが知らなくてもいいのである。更にいえば、法律というのは、あとからくっつける理屈にすぎない。要は世間の常識の範囲であるかどうかが問題なのであろう。

最後に勉強になった言葉を
「近代国家において、国家がどうしてもやるべき事は、三つしかないといわれている。それは外交と国防とそれから、法の執行である」

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 読書日記

景気ってなんだろう    岩田 規久男   ちくまプリマー新書

読んだ本がたくさんたまっています。一度読んだだけでは頭に入らないので、読後の感想文が重要なのですが・・・。

この本は経済学の泰斗が高校生向けに優しく解説している。
景気とは何か?何故景気は循環するのか?景気をコントロールする金融政策と財政政策とは何かを分かりやすく解説する。
民間企業の設備投資が増えると、国内総生産、消費、企業収益、人々の所得が同時に増加して、景気を刺激する。また、国内総生産を需要するもうひとつの国内の主体である政府も景気を刺激する重要なファクターである。
このことから、日銀が決定する金利や国が発行する国債がいかに経済に影響を及ぼすかがよく分かった。
また、今の世界の経済の流れは、日本や振興・発展途上国が貿易で稼ぎ、稼いだ金をアメリカとEUに貸し、アメリカとEUは日本と振興・発展途上国から借金して、輸出する以上に輸入しているというのが最近の世界の貿易とお金の流れである。なんの事はない、日本が貿易で稼いだ金を欧米に貸し、欧米はその借りた金を国内の消費に回して日本からの輸入品を消費しているという自転車操業のような世界経済の流れである。
以上のシステムを理解すると現状の異常なバブルの破綻は必然であったことが良く分かる。


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読書日記

   冨の王国ロスチャイルド   池内 紀     東洋経済新報社

 いつかは飲んでみたいワイン「シャトー・ラフィット・ロートシルト」ロートシルトとは、ロスチャイルドのフランス読みである。ロスチャイルドの名前は他にも以外な所にも見られる。ニューギニア産の豪華な蝶に「オルニトプレラ・ロチルディ」の学名。南アメリカのダチョウの一種「レア・ロチルディ」。一般に私たちが知っている大富豪のロスチャイルドは同時に慈善家であり、世界的な美術品の保護者でもある。

 昔から時代の波に乗って大富豪にのし上がった成金がごまんといた。だが、成功者は慌ただしく交代していった。そんな中でロスチャイルドだけは19世紀のはじめに登場して以来、冨を維持しただけでなく、間断なく増やし続けた。そんな場合、他人のねたみやそねみにさらされるものだが、ロスチャイルドはねたみ以上に尊敬をかちえた。しかも「ユダヤ人」という生来のハンディーを背負って。ロスチャイルドはただ一人の権力に寄り添うことの危険を知っていた。

初期のロスチャイルドは手分けして情報を集め、商売に精を出し、顧客を掴んだ。ヨーロッパに分散した兄弟で確実な情報を握っていた。ロスチャイルドは「情報ネット」を完成させた世界で最初の企業だろう。その情報システムは二つの要因から出来ていた。一つはより多くのより正確な情報を集めること。もう一つは、より、早く、より確実に伝達すること。
 また、その教育システムも特異である。ロスチャイルドは科学教育を重視し、たえず最新の技術を学ばせた。絵やピアノやダンスに加えての科学である。当時それは極めて珍しい例外だった。第一世代は蓄財をまず教育に投資した。
 石油が注目をあびるのは20世紀になってからである。それまではランプ用、または機械油がせいぜいだった。いち早く石油の将来性に目をつけたのも、ロスチャイルドだった。
アジアの石油地帯への進出にあたり、米国ノスタンダード石油は国ごとに現地の言い値のままとした。石油の未開地であって、まず需要をよび起こす。その間に供給網をととのえ、本格的な需要が始まったときは、思いのままに根づけができた。

 ロスチャイルドの人間はつねに一つの仕事以外に情熱を傾ける対象を持っていた。一人二役のコンビネーションはロスチャイルド一族の特徴といえる。それこそ、人間性にまして、正確な時代への目と決断の早さの秘訣かもしれない。

 ワインにおけるロスチャイルドの生き方が金融業務すべてにわたるロスチャイルドをあざやかに示している。一つの「事件」の意味を正確に受け止め、くわしく分析し、ついては大胆に方針を改め、将来の方向を定めていく。細心に調査して大胆に投資する。

常に歴史の流れを注意深くながめ歴史の変化に対応していくことが長く生き残っていった秘訣なのだろう。歴史を顧みずにその変化に対応できない者は生き残れない。

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