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2009年12月

読書日記

チャーチル  河合秀和  中公新書

 沖縄の普天間基地問題で日本の政府が揺れいている。そも何故沖縄に米軍基地があるのか?第二次戦争で日本が負けたから。何故日本は戦争に負けたのか?国力?では日本と同じ島国で資源も無いイギリスは何故戦争に勝ったのか?日英の違いは国民性とその国民性が反映される政治家の違いになるのかな?と考えてこの本を読みました。 
 「紳士と淑女」という本で作者の徳岡孝夫氏が指摘されているように、実際に砲弾の下をくぐり抜けてきた士官兵あがりの首相チャーチルに比べ、日本の軍人出身の首相は実践の経験がなく机上の論理で戦争を遂行していいる。
 有数な貴族の家柄に生まれたチャーチルは若いときより歴史に親しみ、戦地に赴きしかる後政治家に転身している。彼は若いときは自由党に所属し、人民の権利や社会福祉の充実に邁進するが、後自身の考える国益のために共和党に移りかなりのタカ派としてならしている。「何か悪いことがあれば、それがもっと悪いことから救ってくれることになるということを忘れてはいけない」
 英国の勝利のためにアメリカを戦争に巻き込んだチャーチルであったが、第二次世界大戦が終結すると疲弊したイギリスは没落していく。そして変わって世界の覇権国家として台頭してきたのは、アメリカであった。チャーチルはイギリス帝国没落の幕引きの役割も果たした。
 第1次世界大戦が終わり厭世気分だったヨーロッパ諸国が、ヒトラーの登場並びに徐々に他国を侵略していくのを平和主義により見逃してついに、ナチスドイツの登場を招いてしまった事実は今の日本の政治状況に似ている。
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読書日記

 単純な脳、複雑な私    池谷祐二     朝日出版

 「進化しすぎた脳」でこの人の脳の本にはまっています。今回は作者が自分の出身高校の生徒向けに話した内容をまとめた物。そのため割と優しく書かれていてます。が、この本を読むと、従来の私たちの心の動きに関しての考え方がいかに間違っていたかが分かります。
「吊り橋の上で告白すると成功率が高い」「長い時間一緒にいるとその人の事を好きになる」など私達の感情はいかに脳のこじつけや錯覚に左右されていることか!!
 例えば、私たちの脳はひどく曖昧で柔らかい方法で記憶を保管しているらしい。しかも記憶が呼び出されるときに、その内容が書き変わってしまうこともある。記憶は思い出すときに再構築され記憶の内容は組み換わって新しいものになる。
 また、作話の話も面白い。実は私たちの行動は殆どが無意識に支配されている。脳は体を介して自分のおかれた状況を理解する。しかしその行動の理由が分からないとき脳は作話して自分の行動や判断の意味を探している。この事から分かることは私たちの精神活動はかなり大きな部分で「体」が重要なウエイトをしめている。私はこの本を読んでから自分の直感というものをかなり大切にするようになった。
 そのほか手を動かすときには脳が動かそうと意識してから手を動かすのではなく、本人が「動かそう」と意図したときには脳はすでに動かす「準備」を始めていたという驚くべき事実も語られており興味が尽きない。
自由について私たちにある「自由」は自由意志ではなく自由否定である。私たちにできるのは 自動的に脳からゆらぎを通じて発生してきたアイデアを採用するか不採用にするかだけである。そこにしか私たちの選択の余地はない。このアイデアはだめだ、あのアイデアもだめだと否定する。そして最後にこれならいいね.・・・・と自由否定をしない。私たちの脳はそういうスタイルだけが許されている。アイデアそのものは脳のゆらぎから自動的に生まれる。私たちはゆらぎに任せることしかできない。

数々の知的好奇心を刺激する話。心とは、生命とは、自由とは。そして「創発」「リカージョン」「再帰性」「ゆらぎ」「ラッセルのパラドックス」等の意味が分かりやすく解説されている。
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